Shonan BeachFM 78.9
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出会いを大切に、440以上のNPO法人を繋ぐ

NPO法人鎌倉市市民活動センター
運営会議理事長 渡邊 公子

♪ PLAY ♪
 

440以上のNPO法人を「繋げる」渡邊さん

桑畑
本日のゲストは、NPO法人鎌倉市市民活動センター運営会議理事長、渡邊公子さんにお越しいただきました。よろしくお願いいたします。

渡邊
よろしくおねがいします。

桑畑
実はお会いするのは3度目くらいですかね?

渡邊
そうですね!お顔はよぉーく憶えております!

桑畑
そうですか。あまり特徴のない顔なんですけれども。

渡邊
そんなことない!ハンサムでよく憶えております。

桑畑
ホントですか!? ラジオしか聞いたことがない方が色々と誤解されると思うので・・・えー・・・何て言えばいいか・・・わかんなくなっちゃった・・・

-照れる桑畑-

桑畑
いきなり先手を取られました。ありがとうございます。

渡邊
うふふふふ

-微笑む渡邊-

桑畑
先ほど肩書きでも「鎌倉市市民活動センター」と申し上げましたが、そもそも市民の方は市民活動というのを知っているようで知らないのではないかと思っていて、まずはそこから語っていただいてもよろしいでしょうか?

渡邊
はい。市民活動なんですが、昔は道を造ったり橋をかけたり、全て住民がやっていたんですね。それがだんだんと人数が増えてきて市民では無理になって、行政という機関が出来るようになりました。いわゆる今の市役所ですよね。町役場もありますが。
そこにみんながお金を出して変わりにやってもらおうとなってきた。ところがまた現代は市民の人口が多くなったこともあるんですが、ニーズがものすごく増えた。「行政におまかせすればいいや!」じゃない。色んなニーズに応えるわけにはいかなくなった。お金もなくなったというのもありますね。
そこで市民達が課題を見つけて市民で解決していこうというのが始まりです。「課題解決のために社会貢献活動をしている団体」と思っていただければいいかな。

桑畑
じゃあ市民による市民のための活動ですね?

渡邊
そうですね。

桑畑
それによって街が良くなるように皆さん動かれてる。

渡邊
はい。そういうことで~す♪

桑畑
先ほどお聞きしたんですが、鎌倉市市民活動センターに登録されているNPO法人はなんと440!!!

渡邊
NPO団体という任意団体、「自分たちでこういうことをやるぞー!」っていう団体が800くらいあって、「会議室が欲しい」「印刷をするのにちまたでは高いのでちょっと安くしてほしい」とか、そういう場の提供をしているのがNPOセンターなんですが、そこに登録しないと使えないもんですから、登録している団体が440ということです。

桑畑
あまりにも数が多いので、渡邊さんが普段どういうお仕事をされているのか全くイメージが湧かないんですけど、普段どういうことをされているんですか?

渡邊
NPOセンターは鎌倉市の指定管理者になっているんですね。場所を運営することの指定管理者になっているのですが、運営もハード面とソフト面がありますよね。
ハード面は建物の中の場所の提供、機械・印刷機を提供するとかそういうことなんですが、私の仕事はどちらかというと繋げる役割なんですよ。コーディネーター役みたいに。色んな市民活動団体があって、今とくに若い人達がそうなんですが、同じようなことをしている団体と繋がりたいというのがありますよね。「自分たちはこういうことをしたいんだけどもどうしたらいいだろうか?」という相談があると、「じゃあこういう団体があるから一緒にやったらどうですか?」とか。「活動団体同士の繋がりではなくて、どうしてもこの活動をしたいけど場所はどうしたらいいだろう?」というときに、「じゃあ建長寺をお借りしなさいよ!」と言うと、「どうやって借りるんですか?」「じゃあ私が行ってあげるわよ!」・・・で、総長のところへ行って「すみませ~ん。こういうわけで被災者を応援する映画をやりたいんだけれども、鎌倉って場所がなくて・・・」って言うと、「じゃあいいよ!」って、そういう繋げ役。
だから私はどこへでも今までの人脈を使って繋げ合わす。その役割を今はしています。

桑畑
鎌倉の人が、知る人ぞ知るスーパーコーディネーターですね!

渡邊
って言っていただけるとありがたいですねー! 自分ではそういうふうに思っていないんですが、なぜかそういう役割になりましたね。黙って見ていられない。一生懸命やっている人を何とかしなきゃ、何とかしなきゃってなるんですよ。だから、そういうことで繋いでいます。

桑畑
そういうのお好きなんですね?

渡邊
好きなのかもしれないですねぇ。人のためになるのが好きなのかなぁ・・・う~ん・・・自然です。自然に過ごしています。

桑畑
そういうお仕事って見方を変えると大変だと思うんですけれども、僕の知る限りでは渡邊さんはすごく生き生きとされているんですが、何が生き生きとさせているんですかね?

渡邊
何でも仕事をするって楽しむことなんですよ。「嫌だ~嫌だ~」と思っていたら全て嫌になりますね。だから仕事をしていて嫌だと思ったことはないです。何をやってもプラス思考なんですよ、私って。マイナス思考はゼロ! 全て「良くしよう良くしよう」だから、いくら色んなことがあっても「あ、なるほど!こうすればもっと良くなるんだな!」って考えていくタイプなんですよね。だからとにかく仕事は楽しむ。人が「苦しいでしょう?」と言っても「あら、楽しいわよ?」っていう感じですね。

桑畑
そのマインドだから、色んな方が頼って相談されるんだなーって今ちょっと思ったんですけど。

渡邊
そういうのもありますねぇ。親からもらった生まれつきの性格、ありがたいことですねぇ。

若者の意志から誕生した『鎌人いち場』

桑畑
そんな、東へ西へ大活躍の渡邊さんが6月1日に大切にされているイベント『鎌人(かまんど)いち場』。まず『鎌人(かまんど)いち場』って何か教えて下さい。

渡邊
鎌人(かまんど)いち場』はNPOセンターができて10周年の時に何かやろうよ!って。だいたい鎌倉の団体は自分たちがどんどん立ち上げるんですが、我々センターで何か団体を立ち上げようよ!ということになりまして、だいたい定年退職の人が多いので、今回は若者を対象に集めよう。若者が集まってきたところで「あなた達なにやりたい?」と聞くと、若者達が「市場をやりたい」と言ったんです。市場ってどんなのかちょっと想像がつかなかったんですね。でも色々話を聞いたら、「いいじゃん!やろうよ!」って。私はだいたい「いいじゃん!やろうよ!」なんですよ。どうなるかなんてやりだせば大丈夫なので、それで始めたのが『鎌人(かまんど)いち場』なんです。

桑畑
6月1日に11回目なんですか?

渡邊
はい。

桑畑
年に2回づつやっていて、11回目のが6月1日に行われるんですね!

渡邊
はい。そうです。その理念はですね、とにかく物の売り買い・・・市場だと物の売り買いってみなさん思うじゃないですか。色んな野菜市場にしても魚市場にしても物を売るわけですが、この『鎌人(かまんど)いち場』は「人と人を繋げる市場」なんです。
ここへ来たら「あの人に会えたね!」「おー久しぶりー!いいじゃーん!」って繋がっていく。隣でたまたまお店を出した人が「はじめまして!」なんだけれども、あれ?いつのまにか仲良し!っていう・・・そういう雰囲気を作りたい。「そこへ行ったらみんなが繋がるよ」っていうのが我々の想いなんです。それで今11回目。繋がってますね!

桑畑
これまでの10回で嬉しいことも楽しいことも嬉しいことも楽しいこともあったと思うんですけれども、その中でこれだけは1番嬉しかったっていう話って何ですか?

渡邊
良い人が多いっていうことです! あそこはやるときに場所をきちんと決めてるわけじゃないんですよ。
フリーマーケットは「だいたいこのエリアよ」「シルバーはこのエリアよ」ってある程度大きなエリアは決めているんですが、来た人が場所をとるわけなんですね。あまり細かく決めてない。でも喧嘩にならないですね。自分が売りたい売りたいと思って来たら「この場所じゃなきゃ嫌だ!」とかあるじゃないですか。ここではそれがない。「ちょっと揉めるけど、皆さんで協力してね!」って言うと「ハーイ!」ってなる。良い人ですよね、集まる人達が。
最後に「ありがとうございました!」って帰りますね。文句を言って帰る人は一人もいない。「また次回会いましょう」っていう感じでやるから『鎌人(かまんど)いち場』に来る人達はみんなそういう想い。本当にみんな世の中を良くしようと思っている人達なんだなーって。それが一番嬉しいですね。

桑畑
じゃあ6月1日に「ちょっと疲れてるなー」とか「何か気分が悪いなー」って思ってる方も、そこに行けば気分良くなっちゃうかもしれないですね!

渡邊
うん!良くなっちゃう! そういう雰囲気を持っているところです。

桑畑
僕も今渡邊さんと話していて気分良くなってきました。「いいじゃん!」って言ってもらえて。

-さらにテンションが上がる二人-

渡邊
あとは天気なんですよ。外ですから。不思議と『鎌人(かまんど)いち場』は雨で中止っていうのは・・・1回台風があったかなぁ。それ以外ないですね。

桑畑
そのときは渡邊さんいらっしゃらなかったんじゃないですか?

渡邊
いいえ、そうではないんですけどねぇ。ちょっと台風には勝てなかったっていうときはありましたが、天気の面では天も味方しているのかもしれないですね。

-意図した展開に持っていけず一瞬気まずい表情をする桑畑-

桑畑
気の良い人達が集まるとやっぱり天気もよくなる?

渡邊
良くなると思います!

様々な街と繋がる『鎌人いち場』

桑畑
今回11回目を迎える『鎌人(かまんど)いち場』で、新たな試みって何かありますか?

渡邊
まず、「我々の想いが集まる場」というところを大きくしたいと思ってるんです。物の売り買いではないですから。そこで、ぜんカフェっていうのをやって・・・

桑畑
ぜんカフェって???

渡邊
お坊さんの「禅」です。朝比奈さんが来て下さって、お茶をたてて自由に話そうというのが行われる。というのがまず一つですね。それから、足利市が参加するんですが・・・。

桑畑
足利市?

渡邊
足利市は鎌倉と姉妹都市なんです。

桑畑
ほぅ。

渡邊
友好を深めようという意味で。それも市民レベルで。姉妹都市って私たちから思えば、もうちょっと偉い方達で交流はしているんでしょうけど、そうじゃない市民レベルでしたいねっていうことで、足利市をお呼びします。出ていただけることになっています。

桑畑
今回初なんですね?

渡邊
はい。初です。これが萩市に繋がり、上田に繋がり、色んな姉妹都市と繋がったらいいですよねぇ。

桑畑
どんどん構想が広がってますね!

渡邊
そうですね。やってると「こうしよう」「ああしよう」ってアイデアがどんどん出てきますよね! メンバーがまた凄いんですよ。アイデアをどんどん出し合えるメンバーなんです。そこが良いところかなーって思っています。

「市民運動」と「市民活動」の根本的な違い

桑畑
そんなかたちで『鎌人(かまんど)いち場』は11回目をいよいよ迎えるんですけれども、市民活動っていうのに対して渡邊さんがやっている活動の中で、今回聞いている湘南鎌倉のリスナーの方達に「これだけは知っておいてほしい!」とか「これだけは誤解を解いておきたい」とか、そういうのって何かありますか?

渡邊
市民運動と市民活動の違いもあるんですが、どうしても行政に対して「反対反対反対!」っていうのが市民活動だと思われているんですよ。

桑畑
なるほど。

渡邊
今400ある団体には色んな団体がありますね。それは行政に対する反対運動っていう思われかたをしている、でもそうじゃないんですよね! 確かに誤解を招くのは、特に鎌倉はNPOが第1期、第2期、第3期があるだろうと思われているんですね。その第1期というのは大正4年、同人会っていうのが作られたんですよ。鎌倉には明治以降たくさん観光客が来るようになった。でも街はきれいじゃないよね、何もできてないよねって・・・「じゃあなんとかしよう!」ということで寄付を集めてきれいにしたんですよ。で、第2期が高度経済成長の時で鎌倉はみんな住宅になったじゃないですか。

桑畑
1960年代くらいですか?

渡邊
60年代くらいね。そのときにあった行政への反対運動です。行政は全部住宅にしようとしたわけですが、そういうのに反対して鎌倉は緑を守らなきゃならない。その最たる物が文化人達でしたね。おやつ騒動というのがありました。それでナショナルトラストというものができたんですよね。
それで今は第3期目なんですが、行政とどう共存していくか。税金だけではやっていけない。そこで市民の力、市民力・地域力を生かそうじゃないか!市民が一緒にやれば企業がやるより安くできるかもしれない、ということですね。そこで市民との共同ということが言われだした。
ですから我々センターも今までは支援支援・・・今も支援はあるんですが、それよりも共同していこう!っていう時代に変わって来た。

桑畑
へ~!

-感心する桑畑-

渡邊
ですから「いかに行政と共同して良い街づくりをやっていこうか」というのが市民活動ですよっていうことを理解していただきたい。

桑畑
よく理解できました!ありがとうございます。
じゃあ最後に、『鎌人(かまんど)いち場』の場所と時間を教えていただけますか?

渡邊
6月1日、日曜日9時から16時まで。場所は由比ケ浜にあります鎌倉海浜公園の由比ケ浜地区で行います。

桑畑
鎌倉海浜公園の由比ケ浜地区!

渡邊
最寄りの駅は江の電の和田塚から海辺に歩いて2~3分で公園に着きます。

桑畑
鎌人(かまんど)いち場』11回目。新しい取り組みもありますし、是非来てほしいですね!

渡邊
はい。会いましょう!出会いを大切に!

桑畑
NPO法人鎌倉市市民活動センター運営会議理事長の渡邊公子さんでした。

渡邊
ありがとうございました!

桑畑タケル

編集後記

Jump Start 株式会社
代表取締役 桑畑タケル

「現在鎌倉で活躍されている人物」という投票があったら渡邊さんは間違いなく上位にランクインするのではないだろうか。重要な役割を長年務める渡邊さんはとにかく愛情溢れる健康的な人だ。「話しているだけで元気になる人」というのは渡邊さんのような方のことを言うのだろう。カマコンバレーもこの短い期間で渡邊さんには本当にお世話になっている。認知していることだけでもかなりお世話になっているので、認知していないことを含めたら想像を超える貢献をしていただいているのは間違いない。
渡邊さんが元気に活躍されることが440以上のNPO法人はもちろん、鎌倉で暮らす人や働く人にとっても嬉しいことだ。そして次の世代の僕らも渡邊さんに甘えすぎることなく、出会いを大切に前向きにチャレンジしていきたい。