Shonan BeachFM 78.9
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独居老人と若い学生の世代間同居のマッチングシステム

逗子市議会議員
長島 有里

♪ PLAY ♪
 

NPO法人KANATAN(かなたん)

桑畑
それでは本日のゲスト、逗子市議会議員の長島有里さんにお越し頂きました。
こんばんは!

長島
こんばんは。よろしくお願いいたします。

桑畑
今日は行政の人としてではなく、新たなチャレンジをする人としてお越し頂きました。

長島
前からずーっとNPOをやりたいなと思っていて、今年中にNPOを立ち上げたいなと思っています。
NPOの名前は『かなたん』です。

桑畑
かなたん!?

長島
平仮名で『かなたん』です。
『かなたん』の由来は、神奈川エリア、湘南エリアを中心に活動していきたいということと、皆さんに親しみをもってもらえるネーミングということで『かなたん』に決めました。
肝心なNPOの内容ですが、今お一人暮らしの高齢者の方・・・いわゆる”独居老人”の方が行政では見守りきれないということで非常に社会問題になっていると思うんですけれども、その一人暮らし高齢者の方と若い学生の方、この世代間同居、シェアハウスのマッチングをするNPOを立ち上げたいなと思っています。

桑畑
独居老人と18歳以上の・・・?

長島
仕事をする前の学生ですね。

桑畑
何でそのようなことを閃かれたんですか?

長島
逗子は高齢化率が5月で30%に達したんですけれども、やはり一人暮らし高齢者の方がどんどん増えていくなかで行政も何も手を打っていないわけじゃなくて、『見守りサービス』ということで、地域のボランティアの方で一人暮らし高齢者の見守りとかはしてるんですけど、それでも限界がある。
だったら学生と一人暮らしの高齢者の方が一緒に住んで、一人暮らしの高齢者の方はそういった学生にこれまでの経験からくる人生のアドバイスをして生き甲斐をみつけてもらう。学生は安い家賃で憧れの湘南に住むことができる。ということでお互いのニーズがこの湘南だったらマッチするんじゃないかなと。
それと同時に、全国的な課題ですけれど独居老人の孤独死とか、そういった社会問題が解決するんじゃないかなと思って、それをNPOという立場で横と横を繋げることを自分ができないかなと考え立ち上げようと思いました。

桑畑
高齢の方も若い人達と一緒にいたら元気になりそうですよね!

長島
そうなんですよね。フランスで世代間同居というのが既に成功していて、1000組以上成立しているということで色々とコツがあるらしいんですけど、趣味が一緒の人をマッチングさせるとか、音楽が好きな高齢者だったら音楽が好きな学生にするとか、あとは生活上のルールを最初に決めたりとか・・・。フランスでは成功事例があるということなので、そういった事例も調査しながら日本に合うマッチングシステムができたらなぁと思っているんですけど。

桑畑
若い方からしたら、見知らぬお爺さまお婆さまと暮らすというのは何か抵抗みたいなものがあると思うんですけれども、そこら辺はどういうふうに考えているんですか?

長島
そうですね。若い方が一緒に暮らしたい!と思うインセンティブをどうかき立てるかなんですけれども、それが湘南だから出来るのかなっていう・・・。
ここは土価高いですよね? 借りようと思っても学生はなかなか借りれないし、でも海の近くで逗子・鎌倉・葉山に住んでみたいっていう学生は多いと思うので、活動エリアは湘南エリアなんですけど呼び込む学生は遠くからでもいいのかなと思っていて。
だからできるだけ良い物件のお家をさがしてきて、お家のなかもビデオで撮らせてもらって、その動画をインターネットで公開して、そのお爺ちゃんお婆ちゃんのインタビューも動画で撮らせてもらって、ネットで配信する。
ちょっと湘南で暮らしてみようかなという学生、あと留学生まで幅を拡げれば家に困っている人も多いと思うので、住みたいって思ってくれる学生がいるんじゃないかなと思うところなんですけど。

KANATANのもう一つの目的

桑畑
大学とか専門学校の教育機関にもご協力いただけるかもしれないですね。

長島
そうですね。そういうところにも話して行きたいなと思いますね。
私は1年前からもう1つ立ち上げたいなと思っていたNPOがあって、それは児童養護施設の子供達が施設を出た後の支援をどうしていくかっていうことで何かやりたいなと思っていて、施設の子供達って18歳で施設を出なくてはいけないので、18歳で出るとなると戻れる家庭がないから施設にいたわけで、結局住み込みの仕事を見つけるのが一番手っ取り早いんですね。
そうすると住み込みの仕事がその子達の適職に合っているかどうかは二の次で、みんな苦労するわけなんですけれどやっぱり離職率が非常に高くて、職を失うと同時に家を失うということで、そこからフリーターになって生活がままならなくなってしまうという方が本当に多いんです。
そういう子達を受け入れられる受け皿があれば良いなと自分の中で思っていて、さっきの『かなたん』に戻るんですけど『かなたん』で通常は一人暮らし高齢者の方と若い学生でマッチングさせると、若い学生には家賃を払ってもらうんですが、施設を出た子については家賃はなしで、そのかわり高齢者の方にも家庭環境や事情を理解してもらって、そういう子が社会で新たに活躍出来る人材になれるようなサポートも高齢者の方にしてもらう。
それをこのNPOで”施設の子供達の自立”っていう支援も一緒にできないのかなと思って考えています。

桑畑
そうすると、独居老人の課題と・・・

長島
施設を18歳で出なくちゃいけない子供達が住む場所がないっていうのも、上手く行けば両方解決できるので!

桑畑
なるほど。

長島
これが本当に上手くいったら、かなり良いんじゃないかなと。

長島有里がやる意義

桑畑
ちょっとずれるかもしれないんですけど、長島有里がやる理由というか、やる意義がどこにあるんですかね?

長島
う~ん・・・。

桑畑
あえて問うてみる!

-しばらく考える長島-

長島
う~ん・・・そうですねぇ。
私もこういう仕事をしていると、この仕事の良いところは色んな人に出会えるということと、私自身が議員をしているっていうことである一定の社会的な信頼をもらえるっていうところが、自分で言うのもあれなんですけど客観的に見て自分自身の強みだと思うので、やっぱり施設を出る子達を児童相談所だったり今の施設の所長だったりが誰かにあずける時に、身元の解らない人には危なくてそういう橋渡しはできないと思うので、そこが自分自身ができるところなのかなって。
施設を出た子供の親族の方に私が話すにしても、高齢者の方と話すにしても自分が議員だからっていうことで最初の信頼を得やすいのかなって。それは自分自身が議員をやりながらNPOをやることのメリットだと思っています。

桑畑
そうなってくると今議員をやられていることがお互い良い方向に作用すると思うんですけれども。

長島
そうですね。

桑畑
ある観点から見たら議員という大事な仕事をしながらNPOを作っていくというのは恐らくものすごい負荷になりますよね?
いろんな制約があるなかで、なぜそこまでしてやるっていうふうに決めたんですか?

長島
逗子市で以前幼児置き去り事件があったんですけれども、その時にその子に対して自分が何もできなかった、何もサポートしてあげられなかったということがずっと心残りで、ずっと心の中に引っかかっていたということがありまして。
あとは施設に行っちゃうと・・・もう1年くらい通っているので子供達にも情が移っちゃって・・・。
私が最初に行った時に似顔絵を書いてあげたんですけど、その似顔絵を自分の勉強机とかにずっと貼っている子とかもいて、私が行くのをすごく楽しみにしてくれている子とかいると・・・。

桑畑
それは嬉しいですよね!

長島
そうですね! その子達が18歳で施設を出て、本当に困ったりした時に何もしてあげられないのはちょっと耐えられないと思って。
NPOをしてれば何か手助けができるのかなって思っていることと、議員活動をしてNPOを立ち上げるっていうのは、これから団塊世代の方や主婦の方で、NPOで利益優先じゃなくて地域のために何かやってみたいという方が増えてくると思うので。
いわゆるソーシャルビジネスというか、それが会社の形であってもNPOの形であってもいいし、それを自分自身が大変だけれども申請から運用・資金繰りまでやってみるなかで、課題だとか行政がどういうふうにバックアップしたらいいのかとかっていうのが自分自身もわかると思うので。
改めて行政に「こういうサポートはどうですか?」とか「こういう制度はどうですか?」っていうのを投げかけられると思いますから、それは議員をしながらやる意義があると思っています。
またNPOとしてやる活動が”一人暮らし高齢者の見守り”っていうところで言えば、逗子の優先課題としてトップにくる政策なので、それ自身についても自分の知識が深められるというところから、これは無理してでも両立!

桑畑
無理してでも!

-希望に満ちた表情のふたり-

長島
あと、わざわざNPOを作らなくても議員として仕事をしていくなかでできるんじゃないかっていうご質問がくると思うんですけど、じゃあ何でNPOをわざわざ立ち上げてやらなきゃいけないか?っていうと、やっぱり議員活動っていうとそこは”政治活動”なんですよね。
1つ例を出すと、学生インターンに「こういった取り組みをしたいのでお手伝いして下さい」って、私が議員として言うと政治活動の手伝いになっちゃうので、インターンとかも来にくいと思うんですよ。
それが議員としてではなくて、あくまでも「NPOとしての活動でサポートに来て下さい」って言うと学生インターンも入りやすいと思います。
そういった問題に対して感心の高い良い学生がいっぱいいるので。
どうしても議員が活動すると”選挙のため”とか”政治活動”っていうことになるので、それと切り離してより広いサポートを受けるためにこのNPOを立ち上げようと思いました。

桑畑
今助けてほしいことはなんですか?
今後その事業を伸ばすっていうことは湘南エリアの方々への貢献になるって聴いていて思ったんですけれども、そのために色んな方々のご協力が必要になってくるかと思うんですね。

長島
そうですね。

桑畑
どんな助けがほしいんですか?

長島
やっぱりまずは自分がシェアハウスになってもいいっていう高齢者の方とか、そういう方が知り合いにいるっていう方がいたら是非ご紹介していただきたいと思います。

桑畑
今聴いているなかで「あ!私のことだ!」と思っている方がいらっしゃるかもしれないですよね。もしくは「隣の方かな?」と思ってる方もいらっしゃるかもしれないですよね!
そういう方はどうすればいいんですか?

長島
逗子市役所の逗子市議会事務局宛に長島有里さんって電話していただいてもいいし、私のホームページに連絡先も入ってますので連絡をしていただければ。

桑畑
そうしたら、何かこれに関わりたいとか助けられることがあるって思った方は、逗子市議会議員の長島宛にお電話いただくか、長島有里で検索してホームページ経由でご連絡いただければいいということですね!

長島
是非お願いしたいと思います!

桑畑
最後に、活動に対してこれだけはご理解いただきたいっていうこととか、伝えておきたいっていうことがあればお願いします。

長島
色々批判も出ると思うし、私自身もこれをやることでトラブルにも遭うと思うんですけど、今までずっとやりたかったことだし、色んな仲間を集めて楽しく拡げていきたいなと思っているので、私の活動を見て、是非自分も何かやってみようといってNPOを立ち上げたり、新しく会社を立ち上げてみたり。
そういう感じで温かく見守ってもらえたらとても嬉しいなと思います。

桑畑
温かく、優しく、皆さん見守って下さいということで!

長島
お願いします!

桑畑
逗子市議会議員の長島有里さんでした。
どうもありがとうございました。

長島
はい!ありがとうございました!

桑畑タケル

編集後記

Jump Start 株式会社
代表取締役 桑畑健

30代半ばにして現在市議会議員3期目の長島有里さん。明るくしっかり者な印象通りのしっかりした語り口から、、スイッチが入ると(良い意味で)止まらなくなります。次から次へと話が出てくるのは、それだけ「かなたん」に本気だからでしょう。
議員活動していくなかで取り組もうと思った課題。そしてその課題を解決するには議員としての活動に限定せずに、あたらしく法人を作って取り組んでいくのは今後の一つのモデルになるかもしれません。長島さんの今後のご活躍に注目です。