Shonan BeachFM 78.9
Friday 19:00-19:30
www.kamacon-radio.com

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言葉は生きている

木村文章店
店主 木村 吉貴

♪ PLAY ♪
 

コピーって何?コピーライターって何?

桑畑
本日のゲストは木村文章店の木村吉貴さんです。こんばんは。

木村
こんばんは。

桑畑
よろしくお願いします。コピーライターというお仕事をされていると。

木村
はい。

桑畑
今日はですね、木村さんにコピーライターのお仕事の神髄みたいな話をしていただきたいと思っております。

木村
はい!

桑畑
ただこの番組はですね、湘南鎌倉の新しいチャレンジを応援する番組でして、どこがチャレンジなのかと伺ったところ木村さんは何と答えたか?

木村
「コピーライターとして生きて行くこと、それ自体がチャレンジじゃないか」と個人的には思っています。コピーライターってそれほど世間的にあまり知られていない職業じゃないかなと僕自身感じているんですね。で、「コピーって何?コピーライターって何?」っていうところから始まる方が多い中で、それを書く仕事・創る仕事一本で生きて行くっていうことは、僕が言うのもアレなんですけどチャレンジじゃないかなー。だけれども、人間って言葉のコミュニケーションで成立しているものじゃないかなと思うんですね。言葉ってすごい大事で、言葉ひとつで生き方とか日々が変わったりもすると思うんですね。なので言葉の魅力・・・言葉を強くしたものがコピーじゃないかなと個人的には思っているので、それを広く世間に知ってもらいたい。そんな思いでコピーライター一本でやっている、みたいなところなんですね。なので、「コピーって凄いんだよ!コピーライターって面白いんだよ!」っていうのをちょっとでも知ってもらえたらな~と思って僕は今挑戦しています。

桑畑
木村さん、ご年齢は?

木村
37歳です。

桑畑
今年37になるんですか?

木村
そうですね。

桑畑
コピーライター何年目になるんですか?

木村
ちょうど10年目ですかね。27歳のデビューでした。

桑畑
27歳のデビューは何があったんですか?

木村
僕はその前にテレビの番組を造る仕事、その後に放送作家みたいなのをやってたんですけど、なかなか食べて行くのが厳しくてですね。お金がない、生活も厳しいと・・・20代後半になって、30も近くなって、生き様を見直さなきゃなと。でも文章を書く仕事をしたいと思ってたんですね。

桑畑
はい。

木村
何かないかなと考えて・・・。大学時代にコピーライターに興味があったんです。結局そっちの道には進まなかったんですけど。僕の夢というか若かりし頃の目標を思い出して、ここは一念発起でコピーライターにかけてみようと思って。それで『宣伝会議』というコピーライターの養成講座がありまして、そちらに半年間、週に1回なんですけれども通って修行させていただいて、修了後にコピーライターとしてデビューできた。これが27歳の時でしたね。

桑畑
『デビュー』っていうのは何を持って『デビュー』と言うんですかね?

木村
簡単に言うと就職なんですけれどもね。就職なんですけど、資格とか免許がある仕事ではないので、コピーライターって名乗った瞬間からなれる職業ではあるんですけれども、何の実績もない人がコピーライターですって名乗っても仕事が回って来ないじゃないですか。賞をとったりしてフリーでいきなり始められるコピーライターさんもいるとは思うんですけど、基本的には就職から始まるのかな? それを僕は『デビュー』と捉えています。やっぱり必要のないコピーライターはデビュー出来ないというかコピーライターにすらなれないわけですし、なれてもそれを続けて行くことが難しい仕事じゃないかなと思うんですね。なので就職ではあるんですけれども、その当時はサラリーマンではあるんですけれども、一人のプロのコピーライターとして、プロ野球選手が試合に出てデビューしたというのと同じような感じで僕自身は捉えていたので、皆さんにはデビューというかたちでお話させていただいています。

デビュー作はホームラン!

桑畑
デビューのウィニングボールじゃないですけれども、一本目のコピーって何か憶えてらっしゃいます?

木村
憶えてます! 旅行代理店の丸の内駅に貼るゴールデンウィーク前のキャンペーンのポスターだったんですけれども、上役の方々ですとか、中堅クラスのサラリーマンの方、女性の方とか色んな方向けにコピーを創ったんですけれども、その中でフレッシュマン・・・

桑畑
フレッシュマン?

木村
新入社員向けに創ったコピーがありまして、「フレッシュマンもリフレッシュ」っていうコピーなんですけれども・・・。

桑畑
フレッシュマンもリフレッシュ!?

-???顏の桑畑-

木村
これがデビュー作であり、凄くウケたというか。

桑畑
ウケるってどういう感じなんですか? 笑うとか?

木村
クライアントさんにまずウケた、実際にコピーを見て足を運ばれたフレッシュマンの方もいたっていう話もクライアントさんから聞いたりもして、これはデビュー作としてまあまあそこそこかなー。

-得意げな表情をする木村-

桑畑
会心じゃなかった?

木村
そうそう、会心ですよ! それを超える作品を今のところ創れていないというのが悩みではあるんですけれども。

桑畑
最初の試合で完全試合やっちゃったみたいな?

木村
完全試合までいかないかもしれないんですけど、ホームラン打ってそれ以来の生涯成績ホームラン一本みたいなところに今落ち着いているところですね。

桑畑
ちょっと哲学的な話になっちゃうかもしれないんですが、その一番最初のがご自身の中でホームランって思っている。その後のはヒットであるっていう納得に2つ考え方があるって思っていて、もう1回俺はホームラン打つんだっていうふうにこれから活動していうのか、それともホームランはホームランとしてヒットを積み重ねて行くのが重要なんだっていう考えも僕はありだと思っているんですけれども、クリエイターというか、コピーライターとしてどういう方向性で考えているんですか?

木村
自分自身のことを考えればホームランが欲しいです。ですがクライアントさんはホームランよりもヒットの量産を望んでいるんではないかと思うんですね。僕が自分で勝手にノークライアントでコピーを書いて、例えばインターネットで発表する。そういう自己満足の世界であればホームラン狙うのもありだと思うんですけれども、やっぱりクライアントさんがいて消費者がいて成り立つ仕事だと思うので、僕はどちらかというと消費者とクライアントを繋げるためにヒット的なコピーを量産していけたらなと思っていますね。

マイナスなこともプラスに転化して言えるような心がけ

桑畑
ヒットの定義って何ですかね?

木村
え~難しいですね。

桑畑
あえて難しい質問をしちゃいました。

木村
コピーひとつでガラッと売り上げが変わるっていうパターンもたまにはあると思うんですけれども・・・

桑畑
はい、あると思いますね。

木村
でもそれほど多くはない。デザインですとかタレントさんの力とか色んな力がかかってくると思うんですけれども、結果クライアントと消費者をコピーで上手く繋げられたとき。例えばクライアントも満足してくれた、消費者も素敵な商品ですとかサービスを手に入れて満足できた、それをコピーで繋げられたときにそれをヒットって言えるんじゃないかなと。

桑畑
なるほど。
クライアントとエンドユーザーの満足度を繋げられたとき。

木村
ええ。上手く繋げられたとき。

桑畑
片方だけでもだめだし、両立というか。

木村
かつ自分自身も納得いくものができたら・・・

桑畑
三者が喜んでいるっていうのをいかに創り出すか。じゃあそれを深めたのがホームランなわけですね?

木村
そうですね! それが打てたらベストではあるんですけど、なかなか難しいところではあるので、あまり空振りはしないように。なるべくヒットを打つように心がけてます。

言葉は生きている。言霊になる。

桑畑
コピーをコピーライターとしてスキルアップ、研鑽していく上で日々心がけていることって何かあるんですか?

木村
あ~・・・僕は妻もいて子どももいますけれども、あるいはお仕事でおつきあいのある方もたくさんいますけれども、自分が話す言葉に責任を持つというか。例えば子どもを叱るときでもどこか客観的に、腹が立つので感情的になって怒鳴り散らしたりしたくなったりもするんですけれども、やっぱり投げかけた言葉って子ども達の心に向けて投げるわけじゃないですか。なのでその言葉が傷つけてしまうことにならないか、逆に意味のない言葉にならないか、という辺りを計算してというところままでではないんですけれど、常にある程度心がけて話すようにしているので。色んな本を読んだりですとか、街を歩いていて色んな広告を見るですとかそういうのももちろんやってはいますけれども、自分が話す言葉に責任を持つことが日頃からのコピーの研鑽になるのかなと僕自身は思っています。
子ども達がすごく失敗してしまった、例えば飲んでいたジュースをこぼしてしまったとき、「ダメじゃないか!」って言いたいんですけれども、僕は基本的に「ダメじゃないか」は言わないようにしていて、「どうやってこぼしたの?」って聞くんですよ。「いいんじゃない?」みたいな感じで。そういうマイナスなこともプラスに転化して言えるような心がけというか。それはコピーにも繋がるんじゃないかなと思っていて。ちょっとスピリチュアルな感じになるかもしれないんですが、言葉って・・・

桑畑
言霊ですよね!!!

木村
言霊になるじゃないですか。必ず言霊になると思っているので、言葉は生きているというふうに考えながら、なるべくネガティブなことは言わない。ポジティブなことを発するように毎日心がけていますかね。そんないつもいつも意識しているわけではないんですけれども、常にポジティブな言葉を選んで使うのが良いかなと思います。これは毎日心の中で誰に対してっていうのはないんですけど、「ありがとう」を1000回言うようにしてます。そうすると何か気持ちが軽くなるというか、前向きになれるような気がするんですね。ありがとうでなくてもいいんですがなるべくボジティブな言葉を使うことが言葉を強くする、コピー化する・・・

桑畑
好きとか素敵とか素晴らしいとかそういう言葉ですね?

木村
そうですね。コピー化する一歩になるのかなと個人的には思います。

桑畑
じゃあ今の木村文章店の礎を創ったのは、あのときの放送作家の木村さんであってありがとうですよ!

木村
まさにおっしゃる通りですよ!

-興奮度が高まる木村と桑畑-

桑畑
あの経験があったからあの出会いがあって、そして今コピーライター一本でやられている。

木村
はい!

桑畑
いつもならここでありがとうを出して終わりにするんですけど、せっかくなんでKamacon Radioにキャッチコピーを即興で今創っていただいて閉めたいと思います!

木村
あ~なるほど・・・。「しょうなんです、Kamacon Radio」ってどうですか・・・

-厳しい表情をする木村-

桑畑
しょうなんです、Kamacon Radio! ちょっと聞いてる方に・・・フォローというかご説明いたしますと、即興で振って即興で創っていただいてます。

木村
もう限界です。

桑畑
限界ですか!限界までチャレンジしていただいたということで。あの~・・・、新しいチャレンジをした木村文章店の木村吉貴さんでした!

-無理矢理締める桑畑-

桑畑木村
ありがとうございました!

桑畑健

編集後記

Jump Start 株式会社
代表取締役 桑畑健

「言葉」を本業とする木村さんとのやりとりは想像以上に楽しく、僕にとっても発見の多い機会となった。言葉に興味を持つことは、広告を作る際に限らず、日々の生活を楽しく有意義なものにするのだろう。この放送を聴いて、コピーおよびコピーライターの仕事に興味を持つ方がいらっしゃったら嬉しい。