三世代で着れる和服「作務衣」を文化に
鎌倉作務衣堂
代表 鈴木 瞬
着物の普及活動の一環で始めた作務衣のプロデュース
桑畑
本日のゲストは、『作務衣(さむえ)』の鈴木瞬さん。
よろしくお願いします。
鈴木
よろしくお願いします。
桑畑
鈴木瞬さんが何者かといいますと、鎌倉を拠点に活動されているんですよね?
鈴木
はい。鎌倉を拠点に元々NPOで着物の普及というのをやっているなかで、その中の一環で作務衣の授業を立ち上げてました。
桑畑
着物やめたんですか!?
鈴木
やめてないですよ!今着てます!
-立ち上がって着物をアピールする鈴木-
桑畑
あの~、ラジオ聴いている人は見えないので。
鈴木
あはは、そうですよね!
-笑いながら着席する鈴木-
桑畑
きもの・・・きもの・・・着物と作務衣・・・作務衣っていうものを知らない方に、説明を見せてあげてもらってもいいですか?
鈴木
見せてあげる!?
-ここぞとばかりにツッコミを入れる鈴木-
桑畑
わかるように説明をする。
鈴木
なるほど! 作務衣っていうのは、元々お坊さんがよく掃除のときに着ているもので、わかりますかね? イメージできますか?
桑畑
お坊さんが、掃除をしているときに、着る・・・衣服?
鈴木
そうです、そうです!
桑畑
何色のやつですか?
鈴木
色は茶色とかグリーンとか色々あるんですけど、それを改めてちょっとカジュアルっぽく着たりとか、ちょっとスーツっぽく着たりとか。そういう雰囲気を持ちつつ、和服のテイストを洋服に取り入れようと。
桑畑
聞いててますますわかんなくなりました。
-笑う二人-
桑畑
作務衣ってカジュアルに着たりスーツのように着れるんですか!?
鈴木
いろいろなバリエーションがあっていいんじゃないかっていうことで・・・
桑畑
作務衣ってどこで手に入るんですか?
鈴木
お寺とか、ネットショップとかでも売ってますけど。
桑畑
お寺のおみくじとかお守りとか売ってるあそこで買えるんですか?
鈴木
あそこに売ってるところもあるんです。
桑畑
それを、いま鈴木瞬さんがプロデュースして売ろうとしてるわけですね!
鈴木
そうです。
桑畑
販売なんですか?それともデザインを考えるんですか?両方なんですか?
鈴木
両方です。
桑畑
すごいですね~。
鈴木
デザインから製造から販売まで。
桑畑
はぁ~
-やっとわかったようで、感心する桑畑-
桑畑
どこでその知識を身につけられたんですか?
鈴木
いや、知識は全然ないんですけど~・・・
桑畑
ダメじゃないですか!
鈴木
「やりたーい!」って言って、できる人を引っ張ってきたっていう感じですね。
桑畑
やりたい人を引っ張ってきたわけですね! この番組は湘南・鎌倉のチャレンジを応援する番組なんで、鈴木瞬さんが「チャレンジする男」として呼ばれたわけですよ。
鈴木
なるほど。
桑畑
なぜ作務衣を売っているかとか、どんな想いでやっているのかっていうのをよりアツく!
鈴木
よりアツく!?
桑畑
より真剣に!!!
鈴木
おぉ・・・
-一瞬たじろぐ鈴木-
桑畑
命がけで語っていただきたいんですね!
鈴木
お~~・・・なるほど・・・
-しばし困惑する鈴木-
鈴木
やろうと思ったきっかけは、着物をツールに鎌倉の街づくりをやっていた中で「着物は敷居が高い」という声が本当に多くて、その中で「最も気軽に取り入れることができる和服って何だろう?」というところから、作務衣がいいんじゃないかと。作務衣というのは禅宗のお坊さんが着ていたというルーツがあるので、その禅宗の街、鎌倉が最も適しているということでやることになりました。
桑畑
じゃあ一番大事なのは、「気軽に着てほしい」っていうことですか?
鈴木
そうですね。気軽に和服を着てほしい。元々、今の洋服のジャケットっていうのも室内着から始まっているんですよね。室内着で作業着として始まっているのが、外に出て行っても恥ずかしくない格好ということで今のスーツの原型になっているので、今の和服の起点の作務衣っていうのも作業着だけのカテゴリーじゃなくて、ちょっとお出かけするお洒落な作業着としてもいいんじゃないかな~っていうところでお洒落なものを出しています。
桑畑
どれくらいお手頃なお値段なんですか?
鈴木
今出しているものは1万9千980円・・・で、上着だけのものを出しているんですけど。今後は色んなバリエーション、高いのも安いのも出していこうかなと思っています。
桑畑
全部一律で1万9千980円?
鈴木
はい。そうですね。
桑畑
税込み?税抜き?
鈴木
税込み。
桑畑
その作務衣っていうのは、今どこで出してるんですか
鈴木
インターネットも今後販売する予定で、今は北鎌倉のお店で販売しています。
桑畑
北鎌倉駅からどうやって行くんですか?
鈴木
駅を出て右手の方にまっすぐ歩くと北鎌倉眼科が左手にあって、その裏手にあります。
メインの通りからは1本入ります。
桑畑
インターネットでは何て検索すればいいんですか?
鈴木
『鎌倉作務衣堂』と検索したら出てきます。
桑畑
『鎌倉作務衣堂』
鈴木
はい。
桑畑
鎌倉に作業の『作』に業務の『業』!
-笑う鈴木-
桑畑
・・・じゃなくて業務の『務』!!!<に、衣服の『衣』! 完璧ですよ。
鈴木
・・・・・・あと『堂』ですね。
-うろたえる桑畑-
桑畑
で、作務衣っていうのは先ほど話にありましたが・・・作業着ですよね?
鈴木
はい。作業着です。
桑畑
今でいう何ですかね?
鈴木
パーカーとか、あのあたりですね。
桑畑
ジーパンとかも入るかもしれないですね?
鈴木
ジーパンも入りますね。
桑畑
ジーパンの和服バージョン?実際に動きやすいんですか?
鈴木
動きやすいです。
桑畑
どういうふうに機能性とかデザインが変わるんですか?
鈴木
作務衣の場合は上下のツーピースというか、ジャケットとパンツに分かれていて、帯がなくて紐で結べるようになっているので気軽に着れるというのが特徴ですね。
桑畑
帯じゃなくて紐なんですか?
鈴木
紐です。カッコいいです。・・・・ウッフフフフ
-気味悪く笑う鈴木-
桑畑
へ~
鈴木
もともと機能性に特化した和服なのですごく動きやすいし、着ていることで見た目が和服っていうところがあるので、そういうところで和のライフスタイルを取り入れることができますね。気軽に!
クリーンアップ鎌倉について
桑畑
鈴木さんは『クリーンアップ鎌倉』というプロジェクトを成功させたということで今回ご出演いただいてます。
鈴木
あ、違います。
桑畑
え!?違う!?
-本気でうろたえる桑畑-
鈴木
それは市がやっている市内一斉清掃なんです。
ここに「作務衣か着物を着て参加しませんか」ということです。着物でもいいし、作務衣でもいいし、ただ「和繋がり」で。
着物も作務衣も持ってないってなると、草履でもいいし、手ぬぐいでもいいし、何か身に付けてきてくださいということです。
桑畑
団子の櫛(くし)をくわえてるだけでもいいんですか?
鈴木
ぅぅぅ・・・・・・ん、ぎりぎりセーフです。
桑畑
ぎりぎりセーフ!!! セーフって言いましたね!!!
-苦笑いの鈴木になんとか話をまとめようとする桑畑-
桑畑
その、市がやっている『クリーンアップ鎌倉』っていうのをご存知じゃない方もいらっしゃるとおもうので・・・
鈴木
あ、そうですね。鎌倉市がやっている鎌倉市内を清掃しようという活動で、毎年300人から1300人くらいが参加するものです。
桑畑
それにご参加されたことはあるんですか?
鈴木
あります。
桑畑
黙々と掃除をしているのか? みんなでワイワイ?
鈴木
黙々とやっている人もいるし、みんなでワイワイ遊びながらやっている人もいますね。
桑畑
はぁ・・・・ワイワイ?
鈴木
ワイワイ!
桑畑
ワイワイ掃除。いいですね! ワイワイ掃除の中に和に要素を取り入れたいと。
100年着てもらうのがコンセプト
桑畑
作務衣を販売していてよくある質問とか「よくある誤解」みたいなのって何かあります?
鈴木
あー・・・「ダサいんじゃないの?」とか「高いんじゃないの?」とか「どこに着ていくの?」っていう質問ですね。
「ダサいんじゃないの?」っていうのはデザインから考え直すことでイマドキのというか、今に合った作務衣の姿にチャレンジしているのでその辺りはクリアします。
桑畑
今に合ったというのは?
鈴木
ジャケットみたいに羽織れるような作務衣も用意しています。
桑畑
下の方は、スリムみたいなやつとかベルボトムみたいなやつとか色々あるんですか?
鈴木
はい。今流通している作務衣は大きめのダボダボしたものしかないんで、ちょっとシュッとしたスリムなタイプを今作っています。
桑畑
鈴木さんご自身は作務衣を何着持たれているんですか?
鈴木
今持っているのは3着くらいですね。
桑畑
3着で足りるんですか?
鈴木
足ります。和服はあまり数がなくても足りるんですよ。
桑畑
その作務衣が何年間くらいもつっていう保証の話は難しいと思うんですけれども、予測としてどのくらいもつんですか?
鈴木
作るときのコンセプトとして、100年着てもらうっていうのがコンセプトです。
桑畑
100年! ということは、息子、孫、ひ孫まで?
鈴木
ひ孫いけるかなー?くらい。やっぱり3世代は着てほしいですね。
桑畑
ほ〜〜〜。
-本気で感心する桑畑。してやったりの表情の鈴木-
桑畑
じゃあ最後になるんですけど、着物及び作務衣っていうものを通して本当にやりたいことというか、実現したいことは何ですか?
鈴木
本当にやりたいこと? 鎌倉に住んでる人とか働いている人とかいる人がみんな和服だったらいいな~。
桑畑
それすごいですねぇ。すごいというか、想像がつかないですね。
鈴木
多分200年後くらいにはできるんじゃないですかね。
桑畑
200年後生きてないですねぇ。
鈴木
いやぁ、大丈夫です。魂は生きてます。
桑畑
そういうふうに鎌倉中の人が和服を着るっていうのはどんな意味を持っているんですか?
鈴木
色んな街を見てきたんですけど、開発されてビルができてチェーン店ができて・・・そういうのでどの街へ行っても「同じ顔」になっちゃうんですよね。
桑畑
街が均一化していく。
鈴木
そうです。そういうのがもったいないし鎌倉っていうのはユニークなものをたくさん持っているので、それをわざわざつぶす必要はないんじゃないかな?っていうところから、建物とか食べ物とかを一気に変えるっていうのは難しいので、まず衣服というところで簡単に、気軽に取り入れるというところから鎌倉らしいというユニークさができたらいいな~と。そこから始まっています。
桑畑
鎌倉に来たら作務衣を・・・?
鈴木
そうですね。本当にそうですね!
桑畑
そんなふうに文化にしたいという感じですよね?
鈴木
そうですね。
桑畑
そういうふうに文化ができたとき、その文化の発祥は何だ?って言ったときに鈴木瞬だと!
-まんざらでもない表情の鈴木-
桑畑
そのためには作務衣を着た人たちが気持ちよくあるけるために、まずは『クリーンアップ鎌倉』で、ホコリひとつ紙ひとつない街に!
鈴木
掃除しながら鎌倉の街なんかを見てると愛着が出てくると思うんですよね。そういうところで、和服を着ているというのも良い思い出になるし、その後の意識もだんだん変わるんじゃないかな。
桑畑
なるほど。掃除をしていると街に愛着が出ると。『クリーンアップ鎌倉』はどうやって探すんですか?
鈴木
各所でやっているんですけれども、今回私が呼びかけている場所は北鎌倉駅の円覚寺っていうお寺に集合で10時から11時の間です。
桑畑
何月何日?
鈴木
5月の25日、日曜日です。
桑畑
5月の25日、日曜日の午前10時から11時。集合は午前10時ですか?
鈴木
10時です。
桑畑
円覚寺の中ですか外ですか?
鈴木
外です。
桑畑
正門前に集合。そこに着物着たイケメンがいるからこの指止まれと!
鈴木
すぐわかると思います。あははは。
-キメ顏で笑う鈴木-
桑畑
作務衣を覚えてもらうために作務衣の歌作ったほうがいいですよ!
鈴木
あ~作務衣の歌!「作務衣、作務衣。作務衣~♬」みたいな?
桑畑
5月の25日の日曜日、円覚寺の正門前で「作務衣、作務衣、作務衣~♬」って歌ってる鈴木さんに声をかけてください。
鈴木
はい。
桑畑
ありがとうございました。
鈴木
ありがとうございました!
編集後記
Jump Start 株式会社
代表取締役 桑畑タケル
鈴木瞬君はカマコンバレーが発足する前から、鎌倉に拠点を移し、着物に普及活動に尽力していた。独自の感性とアイデアでプロジェクトを推進する鈴木瞬君に興味があったところ、ラジオ出演の依頼を口実に話をうかがうことができた。鎌倉で新しく事業を立ち上げる若者の中には、鈴木瞬君のような男もいることがこのラジオを通じて少しでも多くの人に知ってもらえれば嬉しい。そして若い人の中からも着物に興味がある人が出てきたら素敵なことだと思う。このラジオの出演後、鈴木瞬君は『iikuni』で作務衣のチャレンジで成就し、現在も着物の普及に挑戦し続けている。