鎌倉のチャレンジを実現する仕組み『iikuni』
村式株式会社
代表取締役 住吉 優
固かった前回の放送
桑畑
2回目のゲストは初回に引き続き、カマコンバレーのコアメンバーで、鎌倉でITの企業を営んでいる『村式株式会社』の代表取締役、通称「優(ゆう)さん」、住吉優さんにお越しいただきました。
前回は優さんにカマコンバレーの説明をしてもらったんですけれども、今回はそこからちょっと掘り下げて具体的な活動、優さんが取り組んでいるチャレンジを聞いていきたいと思います。
優さん、こんばんは!
住吉
こんばんは。
桑畑
前回はどうもありがとうございました!
住吉
こちらこそ、ありがとうございました!
桑畑
あの後ですね、「桑畑と住吉ちょっと固いんじゃない?」とか「よそよそしい」とか周りに言われたんですけど・・・。
住吉
はいはい。
桑畑
これ緊張しない方が無理ですよね?
住吉
そうですねー。うん・・・
桑畑
固くなって当たり前ですよね!これ(スタジオの収録ブースに)座らないとわからないです。・・・というところで、今回もかみながら、固くなりながら、2人で色々と話していきたいんですけれども、よろしくおねがいします!
住吉
はい、よろしくおねがいします!
クラウドファンディングはチャレンジを実現するための仕組み
桑畑
前回カマコンバレーっていう、僕ら鎌倉のIT企業が集まって「この街をITで全力支援!」っていう活動をしています。
その中で象徴的な仕組みの一つとして、『iikuni(イイクニ)』っていうクラウドファンディングのITサービスがあるんですね。
そのサービスを実際に立ち上げた中心メンバーが今目の前にいる優さんです。
優さん、『iikuni(イイクニ)』についてご紹介いただきたいです!
住吉
『iikuni(イイクニ)』っていう名前のウェブサイトがあるんですけど、クラウドファンディングっていう仕組みのサイトなんです。
クラウドファンディングっていうのが何かっていうと、新聞とかメディアでだいぶ広まってきた感はあるんですけれども、「何かチャレンジをしたい」とか「ある製品を作りたいとか」「街でこんな楽しいイベントをやりたい」とか「子どもたちのために何かやってみたい」とか、そういう誰かが考えているチャレンジを実現するための仕組み。
桑畑
チャレンジを実現するための仕組み!
住吉
はい。チャレンジを実現するためにそれの後押しをするための仕組みなんですね。
具体的には何かにチャレンジするときには協力者とお金がいりますよね?
これまでだとお金を集めるために銀行から融資を受けたりとか、投資家の方にお金を出資していただいたりとか、自分の自己資金を出したりとか、そういう感じでお金を集めていたと思うんですけれど、インターネットを使って、お金を集めることができると。
例えば”街でこんなイベントをやりたいんだ!”っていう熱い想いとその内容を『iikuni(イイクニ)』っていうサイト上に公開するんですね。そしてそのページを見た友人とか、友人の友人とか、さらにその友人とかっていう方々がそのプロジェクトに共感したら、小額の5千円とか、3千円とか、1万円とか・・・っていうのを少しずつ集めて、結果的に何かチャレンジをするための資金と共感者を集めることができる。
っていうインターネットの仕組みなんですよ。クラウドファンディングっていうのは。
それを鎌倉専用で、鎌倉の街を盛り上げるために作っているっていうのが『iikuni(イイクニ)』っていう名前で運営しているクラウドファンディングサービスです。
桑畑
鎌倉を盛り上げるからiikuni(※1192年の鎌倉幕府)なんですね!
住吉
そうです。イイクニツクロウから!
桑畑
そもそも何で作ろうと思ったんですか?
住吉
そうですねぇ。
確かね、2013年の8月に『iikuni(イイクニ)』を作ったんですけど、それまでのカカマコンバレーは街で色んな面白い活動をしている方、熱い活動をしている方を呼んできて、その人たちにプレゼンテーションしてもらって。アイディアをみんなで盛り上げるっていう活動をカマコンバレーでやっていたんですね。
でもアイデアを盛り上げる企画をするっていうだけだとなかなかそれを実行に移せないと。
桑畑
はい。
住吉
やっぱり実行に移すにはお金が必要なので、それでクラウドファンディングっていうインターネットの仕組みがあるので「あぁ。これは鎌倉のカマコンバレーにこの仕組みがあったらもっともっと街が活性化していく!」と。
サポートになる仕組みとしてクラウドファンディングはいいんじゃないかっていうことで、カマコンバレーメンバーで有志を募ってみんなで開発して作りました。
桑畑
『アイデア実現装置』ですね?
-してやったりな様子の桑畑-
住吉
まさにそうですね!
桑畑
リスナーの方に具体的にどんなチャレンジがあるかっていうのをいくつか紹介してください。全部は無理だと思うんですけれども。
住吉
例えば、第一回目にやったのが「鎌倉の街で防災意識を高めよう、防災イベントを開こう」っていう趣旨でお金を集めたっていうのがあって、『津波が来たら高いところに逃げるプロジェクト』というプロジェクト名で立ち上がった。
具体的には、鎌倉は津波がきたらすごく大変な土地なので、皆さんの防災意識を高めようということで、実際に津波が来たら建物がどんな感じに変わってしまうのか?・・・本当に津波が来た後のようなことをパネルを使って表現して、それを市民の方に体感してもらう・・・だとか、自分のご自宅への逃げ道マップを配ったりとか防災グッズを配ったりとか、そういう感じのイベントをするためのお金を集めようということで、2週間で135万円くらい集まってですね・・・
桑畑
成立!
住吉
そうですね。
桑畑
それで実際にプロジェクトが実現したわけですね!
-盛り上がる二人-
住吉
そうですね。
もう一つは『鎌倉JAZZ祭』に子どもたちを呼ぼうというプロジェクトがありまして。
桑畑
JAZZ祭に子供たちを!
住吉
鎌倉宮で『鎌倉薪能』ってやってるじゃないですか。その薪能の素晴らしい舞台をそのまま活用して、そこにジャズミュージシャンを呼んで、鎌倉の街で伝統的な薪能の文化とJAZZっていう音楽を楽しもう。そういうコンセプトのJAZZ祭りっていうのが去年初めて開催されたんですよ。
そこに、チャレンジャー(iikuniにチャレンジしてくれた方)の想いとしては、音楽とか、伝統的な薪能のあの感じとかそういうものと触れ合ってほしいっていう思いがあって、「大人たちだけで鎌倉JAZZ祭を楽しむんじゃなくて、子どもたちもそこに無料で参加できるようにしたい!子どもたちの席を作りたい!」という趣旨のチャレンジだったんですよ。
桑畑
「子どもたちに素敵な機会を」っていうのが趣旨なんですね!
住吉
そうですそうです。
桑畑
それを実現させるために・・・
住吉
クラウドファンディングを『iikuni(イイクニ)』を使って子どもたちの座席分のお金を集めたっていう。
桑畑
で、集まっちゃったと!
住吉
集まっちゃった!
桑畑
いいですねぇ~!!!
-しばし余韻に浸る二人-
住吉
僕は当日は行けなかったんですけど実際に行った人の話を聞くと、本当に子どもも喜んでいたらしくて、やっぱり参加された方の声の中では「いい体験をしていた」とか、イベント自体もすごく良かったので大好評だったっていう・・・
桑畑
鎌倉の登下校中の子どもたちがJAZZとか口笛で吹いてた、ちょっといいですねぇ~!
住吉
いいですねぇ!
桑畑
第2回もいけそうですかねえ?
住吉
第2回も、もちろんやるんじゃないですか?
桑畑
もし第2回、第3回って続いたら、今回やった価値はさらに高まりますよね!
住吉
そうですね。
桑畑
実現したことによって印象的だったこととか、何かありますかね?
住吉
何かをやるためにお金を集めるっていうチャレンジジャーの人たちの声なんですけれども「今までもらったお金の中で一番うれしい!」って言ってくれる方が多くて。
っていうのも、色んな人から少しずつお金を集めて、それで自分が志したことができるようになるっていうので、こんなに嬉しいお金はないっていう声をいただきますね。
桑畑
ほぉ~。
住吉
あと、クラウドファンディングを使って実現したイベントの参加者の方々がほんとうに喜んでくれていたり、また来年もやろうよ!と言っていてくれたりとか。
本当にねぇ、クラウドファンディングっていうのは、僕インターネット業界長いんですけれども久々に出てきた良い仕組みだなぁ!って思うんですよ。
桑畑
う~んん・・・
住吉
すみません!ちょっとアツくなっちゃいました!
-楽しそうに笑う住吉と桑畑-
桑畑
聞いてて思ったのが、そういうプロジェクトが企業単位のものじゃなくて、応援した人たちにとっても自分事化するというか、やっていく中でみんなのものになってくんでしょうねぇ。
住吉
それはありますね!
-共感する二人-
桑畑
クラウドファンディングって聞いたときに、こう・・・横文字がきて、今のお話を聞いてもですね!
とは言っても「私、IT疎いから」とか「詳しくないから~」って、ちょっと引いちゃう人もいると思うんですけれども、どんな人が参加できるんですかね?
住吉
クラウドファンディングに?
桑畑
そうですね。はい。
住吉
えっと・・・確かにね、クラウドファンディングっていう名前がちょっと良くなくって、僕もあんまりしっくりこないんですよ。横文字だし!
基本的にはまず2つあって、「チャレンジをする方」と「支援をする方」。2種類いるんですけど、チャレンジをする人は鎌倉の街を良くするための企画だったり事業であれば何でもOKなんですよ。
だから全然鎌倉と関係ない事業だったりイベントだったりっていうのは応募できないんですけど、鎌倉を良くすること、盛り上げることに繋がる企画であれば何でもOKです。
支援する方はほんと誰でもOKです! その企画の趣旨に共感して賛同してくれる方だったらほんとにどなたでもご支援いただきたいなと思います。
桑畑
じゃあ実際にチャレンジしたい方っていうのはどこに問い合わせればいいんですか?
住吉
『iikuni(イイクニ)』のサイト上にチャレンジしたい方っていうページがあるので、そこから申し込みフォームで応募して頂ければ。
桑畑
問い合わせれば『iikuni(イイクニ)』の運営メンバーが、返事というか回答してくれるっていう形でそこから始まるわけですね?
住吉
はい。今インターネットで「いいくに」って平仮名で検索しても、アルファベットで検索しても一番上に出るので。
桑畑
おお!
じゃあ「いいくに」で検索していただいて、チャレンジを募集するというところで、「エイヤー!」とチャレンジを!・・・絶賛募集中ということで良いですかね?
住吉
そうですね。絶賛募集中です。
桑畑
最後の質問になるんですけれども、、『iikuni(イイクニ)』というITのサービスが今後どんな展開となるか、今後どう成長していくんですかね?
住吉
やりたいことはいっぱいあって、例えば「もっと使いやすいサイトにしたい」とか「スマートフォンでも見れるようにしたい」とか色々あるんですけど、基本的には地道に使いやすいように改善していくっていうのが一点。
もう一つは、他の地域でも「『iikuni(イイクニ)』の仕組みを使えないか?」って話をけっこういただいているんですよ。
地域とクラウドファンディングの仕組みって結構相性がいいので、色んな地域で『iikuni(イイクニ)』みたいな装置をどんどんお貸しして、他の地域を活性化するお手伝い向かっていきたいなっていうか、色んな地域で『iikuni(イイクニ)』とかカマコンバレーの活動が、もっともっと使ってもらえるような流れができれば面白いなって思います。
桑畑
その成功の鍵を握っているのは、木工用ボンドである優さんですね!!!
住吉
それと、桑畑タケルさん・・・あなたです!!!
桑畑
わたくしですか!
-不意打ちにうろたえ気味の桑畑-
住吉
はい。
桑畑
初回に引き続き『村式株式会社』の代表取締役の住吉優さんにお越しいただきました。
ありがとうございました。
住吉
はい、ありがとうございました。
編集後記
Jump Start 株式会社
代表取締役 桑畑タケル
優さんには前回の放送ではカマコンバレーについて話をうかがい、今回はそのカマコンバレーが運営するクラウドファンディング『iikuni』に関して話をうかがった。クラウドファンディングという言葉に対して敷居の高さを感じてしまうかもしれないが、何のためのサービスで、どんなことが可能なのか、優さんにわかりやすく説明いただいた。クラウドファンディングの仕組みやノウハウに関して、優さんは国内有数の知恵を持った人なのではないだろうか。
今後『iikuni』が鎌倉の人たちの『アイデア実現装置』として発展していくことを願うと同時に、当番組との効果的な連携も視野に入れていきたい。